高知県の鉄道開業100年、土讃線でホビートレインの記念列車

福家司
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 高知県内で初めての鉄道(路面電車を除く)としてJR土讃線の日下―須崎間が開通から100年を迎えた3月30日、日下駅(日高村)で記念式典やイベントがあり、記念列車が同区間を往復した。

 式典ではJR四国の長戸正二専務・鉄道事業本部長が「地域の皆様と一体となって、これからの100年も鉄道を盛り上げていきたい」とあいさつ。沿線の首長ら関係者がくす玉を割って100周年を祝った。この後、普段は予土線を中心に走っている、0系新幹線を模した「鉄道ホビートレイン」による記念列車が太田正・高知駅長、戸梶真幸村長の出発合図を受け、多くの人たちに見送られて須崎に向けて発車した。列車と並走するランナーが手を振る約1キロの「おもてなしラン」などもあった。観光列車「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」の乗客へのおもてなしもあった。

 6歳の三つ子と参加した高知市の会社役員大西みちるさん(47)は「最近は鉄道の利用者が減っていると聞きます。私自身もあまり利用していませんが、地域で公共交通を守ることの大切さを子どもたちにも伝えたい」と話した。

 日下駅舎は、村がJR四国から譲渡を受け、約5200万円をかけて旧駅の面影を残した木造駅舎としてリニューアルし、3月から使用が始まった。戸梶村長は取材に対し、「村の顔となる駅なので、耐震改修した。鉄道は村にとって生命線だ」と述べた。

 日下駅では観光列車のおもてなしも地元の「日高村おもてなし楽会」がオムライスの衣装で続けてきたが、3月のダイヤ改定から停車時間が11分に伸び、乗客がホームに出られるようになったという。

 この日は佐川町役場と須崎駅前でも100周年を祝うイベントがあった。須崎駅では開業100周年の記念入場券やオリジナルフレーム切手が発売され、「須崎駅19分劇場」と呼ばれる観光列車のおもてなしもあった。(福家司)

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