スマホをかざすと案内情報 新点字ブロック登場 JR鳥取駅前に

清野貴幸
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 スマートフォンをかざすと歩行に必要な案内情報を聞くことができる点字ブロックが、鳥取市のJR鳥取駅南側にお目見えした。視覚障害者の暮らしを助ける新たなツールになりそうだ。

 設置した鳥取県によると、「コード化点字ブロック」と呼ばれる。点字ブロックに25ある「点」部分に、樹脂で○や矢印のマークを複数配置。カメラを通じて専用のスマホアプリで読み込むと、マークの配置や組み合わせによって、「進行方向に駅があります」「右に行けば市役所庁舎です」などその場所に合った案内情報が流れる。横断歩道や信号機の有無なども分かる。歩いて来た方向ごとに異なる情報を得ることもできるという。

 県によると、視覚障害者の団体との意見交換で要望があり、設置を決めた。県視覚障がい者東部支援センターが入る建物(同市富安2丁目)から鳥取駅までの歩道2ルートに、約300万円かけて約40カ所整備。既にある点字ブロックにマークを接着するだけなので予算も少なくて済むという。

 3月27日には、盲導犬を連れた視覚障害者や支援者ら約20人が、実際にルート上を歩いてコード化点字ブロックを体験。一時的に案内が流れないトラブルもあったが、参加者はこのブロックを頼りに鳥取駅まで歩いた。

 参加した支援センターの市村佳子相談支援員は、「視覚障害者は考え事をしたりして方向や位置が分からなくなることがある。アプリは完璧ではないが、有効なツールではないか」と期待する。県はこのシステムの有効性を確認したうえで、米子や倉吉など他の主要駅近くや公共施設での設置を促す方針だ。(清野貴幸)

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