ビキニ事件、現地の苦悩を写す 米国による核実験被害を記録・分析

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田井中雅人
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 米国の核実験放射能に汚染された太平洋マーシャル諸島の被害を記録し続けているフォトジャーナリストがいる。島民や漁船員らが被曝(ひばく)した70年前のビキニ事件。島の人々の苦しみに寄り添い、交流を重ねてきた。田井中雅人

マーシャル諸島での原水爆実験

米国は1946年からの12年間で67回の核実験を重ねた。54年3月1日の水爆「ブラボー」は広島原爆の約1千倍の威力があり、多くの島民や日本のマグロ漁船「第五福竜丸」乗組員らが放射性降下物を浴びた。

取材メモ300冊 「これが財産」

 島田興生さん(84)の手元にはマーシャルで撮った膨大な写真と約300冊の取材メモがある。「これが財産です」

 広島・長崎の被爆者の写真などを手がける中、1974年に初めてマーシャルを訪れた。「私たちの姿を伝えてほしい」。そんな思いに触れた。当時は米国の施政下にあり、第五福竜丸の被害以外はほとんど知られていなかった。

 島田さんは85年から妻・谷…

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