英トラス前首相「ディープステート」連発 「陰謀論拡散」と非難集中

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ロンドン=藤原学思
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 英与党・保守党のトラス前首相(48)が2月下旬、陰謀論者が好んで使う「ディープステート」という用語をくり返し、非難を集めている。最大野党・労働党のスターマー党首は28日、「保守党はいつ統治を諦め、(地球は平らだと誤った主張をする)地球平面協会の政治部門になったのか」と皮肉った。

 トラス氏は21日、米FOXニュースへの寄稿で、西側諸国における保守派の重要性を強調。2022年10月に在任50日未満で首相を辞任した責任を「ディープステート」に転嫁するとともに、「グローバル左翼」や「左翼エリート」を敵視し、「ディープステートの腐敗に立ち向かい、自由世界をリードできる人物が必要だ」と訴えた。

 また、米メリーランド州で22日に開かれた政治イベント「保守政治活動会議(CPAC)」に登壇。政治家の手中にあった権力がディープステートに移ったとして「彼らがすべてを動かしている」と持論を展開した。

 さらにトランプ前大統領の元側近バノン氏とともに番組に出演し、英紙フィナンシャル・タイムズを手に持って「彼らはディープステートの友だちだ」と根拠のない主張を振りまいた。

■「ディープステート」とは何…

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    塚田穂高
    (文教大学国際学部教授・宗教社会学者)
    2024年3月30日13時4分 投稿
    【視点】

    海外と日本の「陰謀論」関係を幅広く追ってきた藤原学思記者の視点がよく活かされた記事で興味深いです。イギリスのトラス前首相が用いる「ディープステート」なる「陰謀論」的語彙が、自信の政治的失敗などについての「責任転嫁」「説明回避」の話法であるこ

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