ライドシェアで移動の困難解消 タクシーとの共存支えるデータと技術

有料記事あすを探る

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あすを探る 中室牧子さん

 「移動難民」という言葉が聞かれるようになって久しい。タクシーやバスなど公共交通機関による移動ができない地域・時間帯が増えている。観光地では、観光客と地元の住民がタクシーを奪い合い、けがや病気で通院することすらままならない状況がある。自治体を対象にした調査によれば、住民や観光客が現状の公共交通サービスに不満を感じている割合は95%に達した。

6人の論壇委員が交代で執筆するコラム「あすを探る」。今月の筆者は、慶応大学教授の中室牧子さん(経済・教育)です。

 筆者が参加する国の規制改革推進会議では、タクシーに対する規制緩和に加えて、「ライドシェア」の検討が始まっている。ライドシェアとは、アプリを通じて一般ドライバーが自家用車で送迎を行うサービスのことだ。日本では食品配達で知られるウーバーイーツの親会社のウーバー・テクノロジーズは、米国ライドシェア市場の最大手だ。そのウーバーのデータを用いた経済学の研究によれば、2015年には米国内で68億ドルもの消費者余剰(支払ってもよいと考える価格と実際に支払った価格の差)を生み出したという。ライドシェアが経済厚生(人々の幸福度の総和)を高める効果は大きい。飲酒運転による死亡者の減少を示す研究もある。

 良いことばかりではない。ウ…

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