バイデン大統領、ラマダンの停戦「イスラエルと合意」 ハマスは否定

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エルサレム=笠原真 ワシントン=下司佳代子
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 パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘についてバイデン米大統領は26日、人質解放などを巡る交渉が成立すれば、イスラム教のラマダン(断食月)期間中はイスラエル側にガザでの攻撃を停止する準備があると明かした。イスラエルに封鎖されたガザでは子どもの栄養状態の悪化が深刻で、国際社会は危機感を募らせている。

 ラマダンは3月10日から4月9日ごろまで。AP通信などによると、バイデン氏は26日収録の米NBCのインタビューで、「全ての人質を救出する時間を確保するため、ラマダンの期間はガザで活動を行わないことでイスラエルと合意している」と述べたという。

 またバイデン氏は同日、訪問先のニューヨークで記者団に対し、「私の望みは来週の月曜日(3月4日)までに停戦することだ」と停戦時期に踏み込んで言及。その上で、「国家安全保障の補佐官が言うには、我々は(停戦に)近づいているが、まだ終わっていない」と答えた。

 バイデン氏はこれまで、米国人を含む人質の救出のために、少なくとも6週間の戦闘休止をめざす考えを示してきた。イスラエルのネタニヤフ首相との最近の電話会談でも「人質を解放させるためには一時的な停戦が必要だ」と伝えたと明らかにしていた。

 イスラエルとハマスの交渉は米国、エジプト、カタールの仲介で続いている。現地報道などによると、多国間交渉ではハマスが人質40人を解放するかわりに、約6週間休戦し、イスラエル側は拘束中のパレスチナ人400人を釈放する内容が提案されている。

 ただ、バイデン氏が楽観的な発言をする一方で、ハマスはロイター通信に対し、「時期尚早だ。依然として大きな溝を埋める必要がある」と主張した。米国務省のミラー報道官も26日の会見で「合意は可能だ」としつつ、「時期については言及できない。ハマス次第だ」と説明した。

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