「ナワリヌイ」決して口にしなかったプーチン氏 恐れた「特別な力」
みなさん、こんにちは。ロシアがウクライナへの全面的な侵略を始めてから2月24日で2年となりました。その直前、ショッキングなニュースが飛び込んで来ました。反体制指導者のアレクセイ・ナワリヌイ氏が、収容されていた北極圏の刑務所で急死したのです。まだ47歳でした。
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死亡の真相は、謎につつまれています。ただ、収監された経緯も含め、プーチン政権によって死に追いやられたことは間違いありません。
ナワリヌイ氏の母親は、遺体と対面した際、会葬なしで埋葬するよう要求されたそうです。多くの支持者が集まって追悼するような事態を恐れているのでしょう。
今、私は「恐れている」と書きました。誰がナワリヌイ氏を恐れているのでしょうか。それはもちろん、プーチン大統領です。プーチン政権やプーチン体制ではなく、プーチン氏個人です。
ただ、それも不思議なことです。確かにナワリヌイ氏はロシア社会の一部ではカリスマ的な人気を誇る反体制派のリーダーでした。とはいえ、絶対的な独裁体制を築いたプーチン氏の地位を脅かすほどの存在ではありませんでした。
それでもプーチン氏がナワリヌイ氏を単に嫌っていただけでなく、恐れの感情を抱いていたことは、おそらく間違いないところです。
プーチン氏は公の場で、一度…