「軍隊行った?」にもやもや 韓国で兵役に就く意味、在日2世の決断

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ソウル=河野光汰

 1月30日、韓国の陸軍に入隊する日を迎えたソウル市内の大学3年生、金世煥(キムセファン)さん(24)は少しの高揚感と、言いようがない不安感が入り交じった複雑な気持ちになっていた。「入隊日は経験したことのない感覚に襲われる」。入隊前、すでに兵役を終えた友人から聞いていた言葉を思い出した。

 金さんは日本で生まれ育った在日2世。3年前、留学でソウルの大学に入ったときは軍隊に入る未来を想像すらしていなかった。日々の生活を送るなかで自問してきたことがある。自分が兵役に就く意味は何だろうか。

 韓国に渡る前、金さんは大阪市内の中高一貫の進学校に通った。特段、大学でやりたいこともなく、周りに流されるように指定校推薦で関西の有名私大に入った。講義に関心を持てず、1年生の1学期が終わるころには早くも大学に行かなくなった。

 フィリピンに語学留学するな…

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