アストラムライン「西風新都線」延伸延期、2036年度ごろめざす

魚住あかり
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 広島市新交通システム「アストラムライン」をJR山陽線西広島駅(西区)まで延伸する事業で、延伸区間の開業時期が、計画していた2030年前後から36年度ごろに遅れることがわかった。建設費も当初より190億円膨らみ、760億円になるという。市が22日、市議会建設委員会で報告した。

 アストラムラインは現在、本通駅(中区)と広域公園前駅(安佐南区)との間の18・4キロを運行する。市は15年、広域公園前駅から西広島駅(7・1キロ)までを「西風新都線」として延伸する事業計画を発表。建設費の概算は570億円で、30年前後の全線開業をめざすとしていた。

 報告されたのは、この内容を見直した新たな事業計画。コロナ禍による作業中断などを理由に36年度ごろの全線開業をめざすという。3月に延伸区間での地元説明会を開催し、27年度から用地取得に着手する。また労務費や資材価格の高騰を理由に建設費も約760億円に修正し、当初の計画から3割以上増えた。

 延伸区間には六つの新駅を設置予定だ。新たな計画では、広域公園前駅から西広島駅までを約16分で結ぶとしている。これに伴って市は新たな需要予測を示しており、15年当時は1日あたり1万5200人としていた延伸区間の利用者数は9100人に減っている。

 市によると、駅の停車時間を含めた運行速度を精査したところ、時速30キロから27キロに下がったことが理由という。延伸区間全体に乗った場合の所要時間が約14分から約16分となったため、利用を控える人が出ると予測したという。

 延伸区間を含む全区間の利用者数は、15年当時に予測した1日あたり7万2900人から7万3100人へ微増する見込みという。

 延伸により、アストラムラインは西広島駅でJR山陽線と接続される予定だ。西広島駅から本通駅を結ぶ路線については、西風新都線の完成後に事業化を検討するという。(魚住あかり)

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