学生にふたりで食事要求「セクハラ」 高裁、早大元教授らへ賠償増額

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田中恭太
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 早稲田大学教授だった文芸評論家の渡部直己氏からハラスメントを受けたうえ、被害を相談した別の教授の対応も不適切だったなどとして、元大学院生の女性が渡部氏と早大に計660万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が22日、東京高裁(増田稔裁判長)であった。高裁は、被告側に計約60万円の賠償を命じた一審・東京地裁判決を変更し、賠償額を計約100万円に増やした。

 原告の深沢レナさん(33)は2016年に早大院に入り、指導教員だった渡部氏から繰り返しセクハラパワハラを受けたと訴えていた。

高裁「指導教員は著しく優位」

 地裁は、渡部氏が、雨にぬれた上着を脱いだ深沢さんに「裸だったらどうしようかと思った」、食事中に「卒業したら俺の女にしてやる」と発言したことは、「社会通念上許される限度を超えている」として違法と認定した。

 高裁は、大学院の指導教員は「学生に対して著しく優位にあり、学生は望んだことでなくても、本音を言えず受け入れることも起こりえる」と指摘。地裁が違法とした行為に加え、渡部氏が度々深沢さんにふたりきりでの食事を求めたり、会食時に食べかけの料理を共有したりしたことを「内容や頻度、原告の心情、力関係に照らすと、セクハラ及びパワハラに当たる」と認定した。

深沢さん「被害学生の限界感じる」

 深沢さんは判決後の会見で「…

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