「自分の名前の葬式をしている」と泣いた娘 夫婦別姓、裁判を決意
金子和史 新谷千布美
なぜ結婚すると姓を変えなければならないのか――。選択的夫婦別姓制度の実現を求め、全国の男女12人が3月、新たに集団訴訟を起こすことを明らかにした。原告らは、慣れ親しんだ名前を変える苦しみを、口々に訴える。
長野県の高校教諭内山由香里さん(56)は、同僚だった小池幸夫さん(66)とこれまで3回、結婚と離婚を繰り返した。
離婚は形だけの「ペーパー離婚」。今も事実婚の状態だ。
内山さんが東京都内の女子大に在学中、国際結婚をしていた男性教員が夫婦別姓だった。「そういう生き方もあるんだ」と漠然と思っていた。
1991年に職場の同僚だった小池さんと婚約。姓を変えることが現実味を帯びた。
だが、小さい頃から呼ばれ続けた「内山由香里」という名前は、履き慣れた靴のようになじんでいた。
「別姓にしたい」。小池さんに伝えた。
伝わらないもどかしさ
小池さんは長男で、いわゆる…
- 【視点】
以前ドラマの脚本会議において「主人公(男性)からプロポーズされた女性が、名字が変わるのが嫌で籍を入れるのを拒む」というプロットについて議論していたとき、主に男性参加者から「たかだか姓が変わるだけで結婚に反対する理由になるの?」という意見が多
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