本当に「沖縄はわがままで自分勝手」なのか 足りない「議論する場」
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡り、県と政府との意見の食い違いが埋まりません。沖縄出身で、成蹊大学アジア太平洋研究センターで国際関係学を研究する波照間陽(はてるましの)氏は、異なる意見の人々が議論する場が必要だと指摘します。
【連載】読み解く 世界の安保危機
ウクライナやイスラエル・パレスチナにとどまらず、台湾や北朝鮮、サイバー空間、地球規模の気候変動と、世界各地で安全保障が揺れています。現場で何が起き、私たちの生活にどう影響するのか。現場を知る国内外の識者に問いかけます。
――沖縄の人々の県民感情はどうやって形作られたのでしょうか。
琉球王国は従来、日本や中国、東南アジアなどと交易していました。廃藩置県に伴う1879年の「琉球処分」で日本に編入され、行政や土地制度、教育などで日本化が進みました。
1945年4月から6月にかけての沖縄地上戦で約20万人が亡くなりましたが、沖縄の一般市民が約9万4千人、県出身の軍人軍属が約2万8千人でした。日本への同化政策の末路が「集団自決」という悲劇に至り、「戦争は二度とご免だ」という県民感情が形成されました。
沖縄、「日本に復帰して良かった」という意見が大多数
戦後、45年から72年にか…
- 【視点】
沖縄出身の研究者による「立場を超えた対話の必要性」についてのインタビューを興味深く読んだ。立場の違う人が対話をする場が必要という最後のメッセージには深く共感する。 一方で、記事中の「『ミサイルの弾薬庫を造る前に、住民保護の手段を尽くす
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