伊賀鉄道も交通ICカードOKに 定期券は検札で紙も提示

亀岡龍太
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 伊賀鉄道(三重県伊賀市)に、JR西日本の「ICOCA(イコカ)」システムが3月9日から導入される。金額をチャージできる交通系ICカードに対応していなかった伊賀鉄道で、ICOCAやTOICA(JR東海)などが使えるようになる。ただ、一部でITデジタル化の流れに追いつかない新たな課題も浮上した。

 市と伊賀鉄道、JR西日本が発表した。3月9日は始発乗車時からIC改札機が稼働。各社のICカードで運賃を自動精算できるほか、伊賀鉄道の定期券も兼ねるICOCAカードの発行などのサービスも始まる。上野市駅の窓口でICOCAのカードや定期券が購入できるようになる。

 大阪・関西万博に向けた利便性の向上などをめざし、システムの開発や全15駅へのIC改札機の設置など、市が2022、23年度で総額約2億6千万円を負担して伊賀鉄道に委託し、整備が進んでいた。

 一方、定期券と兼用のICカードは、表面に定期券の情報が表示されるのが一般的だが、伊賀鉄道の定期券情報は表示されないという。このため、ICカードは外見上、チャージのみの利用と定期券兼用の見分けがつかず、伊賀鉄道は車内検札で定期券利用者に、購入時に手渡される感熱紙の「内容控」の提示を求める。

 伊賀鉄道の通勤・通学定期の利用者は22年度で約1万4400人。

 市の担当者は「伊賀鉄道の情報をカードに表示するには、導入済みの鉄道他社のIC改札機の改修などが必要で、費用が膨大になる」と説明。「できれば内容控での対応は避けたかったが、表示は見送らざるを得なかった」。伊賀鉄道側は「今後何らかの解決策を検討したい」としている。

 ICOCAのICカードや定期券は現在も近鉄・伊賀神戸駅やJR西日本・伊賀上野駅で購入可能。チャージはコンビニなどでもできる。(亀岡龍太)

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