「津高生の推し本」ネットで紹介 感想文とセット、本を探す手助けに

高田誠
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 三重県立津高校は、生徒が読んだ本の感想をデータベースに登録し、ウェブページで公開する「津高生の推し本」を始めた。いまのところ625冊の本に計800件余の感想が添えられている。生徒が本を探す手助けになればと考案した。

 今年度の県教育委員会の「本を読もう!読書活動推進事業」で、津高はモデル校のひとつに選ばれた。その一環で、全国の図書館の蔵書の貸し出し状況をネット検索できるサービスの運営会社「カーリル」(岐阜県中津川市)にシステムの開発を依頼した。

 カーリルは全国の小中高校など約1800校(三重県内は高校38校)で図書館の蔵書を検索できるシステムを提供しているが、感想とセットで公開するのは津高が初めてという。

 津高図書館の「推し本」のページには本の表紙がずらりと並ぶ。興味を持った本をクリック(タップ)すれば感想が読める。人気がある本には4、5人の感想が並んでいる。文末にハッシュタグ付きのキーワードを添えた感想も多く、検索の窓に「泣ける」などのキーワードを入れて本を探すこともできる。感想を読んで「いいね」も付けられる。

 本を読む習慣がない人は図書館に来ても本の選び方がわからないようだ。そんな人を手助けできないかと井戸本吉紀学校司書が考案した。本を借りた生徒にはこれまでも感想を書いてもらってきたため、その感想を活用した。

 今後も推し本と感想を増やしていく。津高生だけでなく県内の他校にも呼びかけ、「三重の高校生の推し本」へとデータベースを広げるのが目標だ。高校生以外にも使ってもらいたいという。

 6日に「推し本」のオープン記念式典があり、図書委員らとカーリルの吉本龍司社長らがオンラインで対話した。図書委員2年の小西花蓮さん(17)と和田麻央さん(17)によれば、ふだんは同級生らと本の話はあまりしないという。今後は本の感想を読むことで同級生らを身近に感じることができるかもしれない。2人は「好きな使い方を見つけてほしい」と活用を呼びかけた。(高田誠)

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