インドネシア大統領選 首位走る国防相、かわいいアピールする理由は

有料記事

構成・ジャカルタ=半田尚子

 インドネシアの大統領選が14日に投票されます。人口は世界で4番目に多い約2億7千万人。2億人を超す有権者が投票で国家元首を直接選ぶことから、世界最大の直接選挙とも言われます。

 今回の選挙に立候補しているのは、前ジャカルタ特別州知事のアニス氏(54)、国防相のプラボウォ氏(72)、最大与党・闘争民主党が擁立した前中部ジャワ州知事のガンジャル氏(55)の3人です。

 アジア経済研究所の川村晃一主任研究員に最新の選挙情勢について聞きました。

――選挙戦は最終盤に入りました。情勢をどう見ていますか?

 現地で報じられている世論調査の結果などを見ると、プラボウォ氏がリードしています。次点がアニス氏、3番手がガンジャル氏という結果が多いですね。

――首位に立つプラボウォ氏はどんな人物でしょうか?

 プラボウォ氏は、国軍を基盤とした独裁的な政権を続けてきたスハルト元大統領の娘の元夫です。その政権下で国軍幹部を務めましたが、1990年代後半、民主化活動家の拉致事件などの人権侵害に関わった疑いで、軍籍を剝奪(はくだつ)された過去があります。

 大統領選への立候補は今回が3回目です。前回、前々回ともに現職のジョコ大統領に敗れています。

――なぜ今回は首位に立つことができたのでしょうか?

 前回まで対抗馬だったジョコ氏を今回は味方につけて選挙戦を展開していることが大きいと思います。

 インドネシアの大統領選は正副大統領を1組で選びます。今回、プラボウォ氏はジョコ氏の長男ギブラン氏(36)と組み、さらに次男カエサン氏(29)が党首の「インドネシア連帯党」からも支持を受けています。選挙集会などでは「ジョコ路線の継承」を強調する発言を繰り返しています。

有権者の過半数「40歳以下」

 イメージ戦略を一変させたことも影響しています。

 過去の大統領選では軍人の経…

この記事は有料記事です。残り2225文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません