富山のJRローカル線を三セクに移管、全国初の再構築実施計画を認定

平子義紀

 富山県西部を南北に走るローカル線のJR城端線・氷見線を第三セクター「あいの風とやま鉄道」(富山市)に移管する「鉄道事業再構築実施計画」が8日、国の認定を受けた。5年後の移管を目指す。ローカル線の再編に国が積極的に関わる目的で昨年10月に改正地域交通法が施行されて以降、初めての計画認定となる。

 国と富山県がこの日、発表した。計画は、県や沿線の4自治体、JR西日本などによる検討会がまとめ、国から「地域公共交通再構築事業」の補助を受ける。計画期間は移行の前後にわたる今年2月から2034年3月までの約10年間。

 計画では、2年後をめどに交通系ICカードを使えるようにし、「あいの風」に移行する5年後には振動が少ないオリジナルデザインの新型車両をそろえるなど、乗客の利便性を向上させるとしている。今より本数を増やすことも計画されている。

 22年度は1日9600人程度だった利用者を1万2千人以上(33年度)に増やす目標も掲げた。22年度10・86億円だった赤字は、7・06億円までに改善されると見込む。赤字分は、県や4自治体、JR西が拠出した基金で穴埋めしていく。JR西は総額150億円を拠出すると表明している。

 新田八朗知事は「第1号なので全国からの注目も大きい。今後をどう進めるか、関係自治体とともに考えていきたい」と会見で語った…

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