パートナーシップとファミリーシップの導入を答申 福島市の審議会

力丸祥子 荒海謙一
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 性的少数者らのカップルを公的に認めるパートナーシップ制度について、福島市から諮問された市男女共同参画審議会は8日、市に早期導入を求める答申を提出した。パートナーの子らも家族とみなすファミリーシップ制度も導入すべきだとした。木幡浩市長は「多様性の尊重という理念に基づき、準備を進めたい」と話した。

 審議会の横田智史会長=保育事業会社長=は「制度導入は多様性の理解推進、差別や偏見の解消などに大きな意義がある」と強調。パートナーシップ制度の対象に事実婚を含めたほか、名称を「パートナーシップ・ファミリーシップ制度」とし、パートナーであることなどを宣誓する骨子案を示した。

 市は今後、現行の市男女共同参画推進条例に「性の多様性の尊重」の理念を盛り込む条例改正を行い、要綱で具体的な手続きを定める。条例改正は6月議会をめざしたい考えだが、その前にパブリックコメントを実施し、市民の理解醸成にもつなげたいという。

 木幡市長は昨年6月の定例会見で「市町村単位では効果が薄い」と慎重な姿勢を見せていたが、その後のLGBT理解増進法施行などを受け、「社会的機運の高まりがある」と同8月、審議会にパートナーシップ制度について諮問していた。答申を受けた木幡市長は「先行した伊達市と連携し、広域的な理解促進にも努めたい」と話した。

 県内では、伊達市が今年1月にパートナーシップ・ファミリーシップ制度を初めて導入。市外からの問い合わせがあり、年内には宣誓カップルの最初の届け出がありそうだという。

 南相馬市は5月13日からの導入をめざし、今月20日までパブリックコメントを実施中だ。担当者は「人権の観点から宣誓できる環境を整えておく必要がある」と話す。

 また、富岡町は町民へのアンケートを実施し、将来的な導入に向けて検討しているという。

 こうした制度は、県が導入すれば県内全域をカバーできるが、県の担当者は「様々な動きは承知しているが、市町村の意向を丁寧にうかがっていきたい」としている。

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