シャープ、一転100億円の最終赤字予想 「必達」の黒字化困難に

中村建太
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 シャープは6日、2024年3月期の業績予想を下方修正し、純損益が100億円の赤字になる見通しだと発表した。昨年11月時点の予想では100億円の黒字を見込んでいた。23年3月期の純損益が2608億円の赤字だった同社は、24年3月期の黒字回復を「必達」の目標としてきたが、実現が難しくなった。

 スマートフォンなどに用いる中小型液晶パネルの市況が「非常に厳しい状況」(同社)という。予想どおりに純損益が赤字となれば、2年連続となる。

 呉柏勲社長はこれまで、24年3月期の純損益の黒字化を「必達目標」としてきた。陳信旭副社長は6日の会見で「ビジネス環境が急速に変わってきている。消費者心理としては、23年を通してインフレなどで可処分所得を購買に回せない状況だった」と話した。黒字化の未達に対する経営責任には言及しなかった。

 6日発表した23年4~12月期決算は、本業のもうけを示す営業損益が35億円の赤字(前年同期は25億円の赤字)だった。売上高は前年同期比10・3%減の1兆7647億円、純利益は20億円の黒字(前年同期は89億円の赤字)だった。23年3月期の赤字の主因となった大型液晶パネルの生産子会社「堺ディスプレイプロダクト(SDP)」は、今回も営業利益を201億円押し下げる要因となった。(中村建太)

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