第1回道路寸断・救助遅れ…能登の事態「起こりえる」7割 知事アンケート
能登半島地震の発生から1カ月に合わせ、朝日新聞社は石川県を除く46都道府県知事に対し、大規模地震への備えなどについてアンケートを実施した。7割超の知事が、幹線道路の寸断などで物資輸送や救助活動が妨げられた今回の地震と同様の事態が起こりえると回答。近隣住民で助け合う「共助」の仕組みが困難になっているとの認識は約9割に上った。
アンケートは、能登半島地震の被害状況などを踏まえて質問。対象の46都道府県知事すべてから回答を得た。多くの自治体が石川県と同様、早期のインフラ整備や人口減などの対応に迫られる実情が明らかになった。
能登半島地震では、石川県内の幹線道路が各地で寸断。集落の孤立化などを招き、早期の物資輸送や安否確認、救助作業が妨げられた。
今回と同規模の地震が起きた場合、同様の問題が起こると思うか尋ねたところ、全体の約76%の35人が「そう思う」「ややそう思う」と答えた。半島がある自治体の知事以外にも、都市部が多い大阪府も含め、迂回(うかい)路が限られる山間部や沿岸部で孤立集落が発生する可能性があるとの回答が目立った。
30年以内に70~80%の確率で発生するとされる南海トラフ地震で、多数の死者や要救助者が想定されている自治体の危機感は強い。徳島県知事は「沿岸部や山間部での幹線道路の寸断により孤立集落が発生する可能性を想定し、対策を進めている」と回答。三重県知事は「海路、空路も活用した人命救助、物資輸送を実施できるよう、孤立地域の発生を想定した訓練を実施している」とした。また、高知県知事は、孤立対策として早急な道路整備の必要性を訴えた。
近隣住民の「共助」の仕組みが困難になっているとの認識を示した知事は約89%の41人。高齢化や過疎化などで、初期消火や避難誘導、日頃の訓練での地域の担い手が減ることに懸念を募らせており、「若者や女性の防災リーダーを養成することにより、担い手の多様化を進める」(宮城)、「消防団員の勧誘活動を強化する市町村への支援」(福岡)など、各自治体が市町村や地域と連携して防災力強化の取り組みを進めていると回答した。
今回の地震では、避難所に支…