「裏金と考えるのが合理的」 政治資金問題で山梨県知事らに告発状

米沢信義
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 長崎幸太郎山梨県知事が代表を務める資金管理団体自民党二階派(志帥会)から受領した現金1182万円を政治資金収支報告書に記載していなかった問題で、県民4人が30日、長崎氏と当時の会計責任者について政治資金規正法違反の疑いがあるとして甲府地検に告発状を出した。

 告発状を提出したのは県内で市民オンブズマンの活動を続ける税理士の山本大志さん(67)ら。今後、地検が受理すれば、山本氏に連絡が入るという。

 告発状は、長崎氏が受領した1182万円を「預かり金的なもの」と認識していたとしても、現金で交付されている以上、規正法上の「収入」として報告書に記載する義務が生じると指摘。「虚偽記載罪ないし不記載罪が成立する」と主張している。

 さらに、趣旨を問うことなく大金を受領することやその存在を忘れることは「通常起こりえない」と指摘。「実際には、志帥会と長崎氏が『裏金』として処理することを示し合わせた上で、足がつかないように現金で直接手渡したと考えることが合理的だ」として真相解明を求めた。

 長崎氏の政務秘書は告発状の提出について「記者会見や自身のホームページで公表している通りです」と取材に話した。

 長崎氏は2019年に衆院議員時代から所属する二階派から政治資金パーティー券の売り上げノルマ超過分として現金1182万円を受領。「処理方針未定の預かり金」として事務所の金庫に保管し、収支報告書にどう反映させるか指示を待ったまま失念したとして、今月19日に収支報告書を訂正している。(米沢信義)

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