上川陽子外相は30日の記者会見で、自民党の麻生太郎副総裁から「そんなに美しい方とは言わない」と容姿に言及されたことについて、「様々なご意見があると承知しているが、どのような声もありがたく受け止めている」と述べた。
上川氏は「私自身、2000年に初当選して以降、信念に基づいて政治家としての職責を果たそうと活動をしてきた」とした上で、「(昨年9月に)約20年ぶりに女性の外相に任命され、日本の将来、その将来を担う若い世代のための取り組みについて全身全霊を込めて専念している」と強調。麻生氏の発言については「国民に理解をされ、支持される外交を展開していくことに専心している。このことを申し上げるという形でお答えとさせていただきたい」と述べた。
麻生氏は28日の福岡県内での講演で、上川氏について「俺たちから見てても、このおばさんやるねえと思った」とした上で、「そんなに美しい方とは言わんけれども、英語できちんと話をし、外交官の手を借りずに自分でどんどん会うべき人に予約を取っちゃう」などと語った。野党から麻生氏に対し「今までの暴言の中でも最悪」(共産党の小池晃書記局長)などの批判が出ている。
上川氏は昨年9月の内閣改造で入閣後、会見で「(女性活躍において)ジェンダーギャップ指数も含め、特に政治分野は大変遅れている」「女性閣僚として、女性ならではの視点を、組織のあり方や働き方改革にも生かしていきたい」などと強調していた。(松山紫乃)