第6回肺がん治療の選択肢「すべて説明する」医師は26% 患者の意識と差
2月4日は世界対がんデー。がんに対する知識を高め、がんのためにできることを考える日だ。だが肺がん治療に関する調査結果からは、患者と医師の意識の差が浮かび上がる。
肺がんでは、患者一人ひとりの病気のタイプを調べ、より効果が高いと見込まれる薬を使う個別化医療が進む。治療前に複数の遺伝子変異を調べる検査をすることが標準的になっている。
ただ、検査や薬の種類は年々増え、複雑化している。
近畿大学病院(大阪府)の中川和彦がんセンター長らは2022年、肺がんの治療選択時の説明について、医師と患者の意識調査を実施し、23年11月に発表した。
医師217人と、肺がん患者の会ワンステップの会員ら、非小細胞肺がんで薬物療法の経験がある182人から有効回答を得た。
治療選択肢が五つある場合、「いくつ説明してほしいか」を患者に問うと、81%が「5」と回答した。一方で、医師に「いくつ説明するか」を尋ねると、「5」と答えたのは26%で65%は2~4だった。
どの程度の確率で変異が見つかるならば検査を受けたいかという質問に、「1%でも」と答えたのは、患者は81%と大半が望んだが、医師では40%にとどまっていた。
「患者は医師にもっと説明してほしい、自分も関わりたいと思う人が多い。一方、医師は患者に配慮して情報量を調整している可能性がある」と分析する。
医師に検査依頼、受けられたのは12%
中川さんは「患者と医師によ…
- 辻外記子
- 科学みらい部長代理
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