丹鉄の利用者、5年後「1・6%増」 府・沿線7市町など目標策定

富田祥広
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 京都府北部などを走る京都丹後鉄道(丹鉄)の利用者拡大に向け、府と兵庫県や沿線7市町は、2028年度の年間輸送人員をコロナ禍前の19年度に比べて1・6%増とする目標を盛り込んだ計画を策定した。沿線住民の利用促進や観光客の取り込みなどを図る。

 旧国鉄宮津線などを継承した路線は、沿線の人口減などで利用者がピーク時の年間300万人から2014年度には185万人にまで激減。第三セクターによる全国最大の赤字路線とされた。再建のため15年から運行をウィラートレインズ(京都府宮津市)に任せる「上下分離方式」で再出発した。

 しかし、コロナ禍で22年度の利用者は131万人にとどまるなど一段と低迷。府などは丹鉄の経営安定化に向け、専門家や地域住民らを交えて協議してきた。

 策定した「沿線地域公共交通計画」は34年度までの10年間を対象とした。主な施策として、①安心・安全な運行と計画的な設備投資②通勤通学時間帯の増便や駅施設の改善など快適性・利便性の向上③沿線地域のまちづくりや観光戦略との連携④地域住民によるイベントや全国的なファンクラブの創設など様々な主体との連携――を掲げた。

 その上で、計画5年目となる28年度の輸送人員の目標を160万5千人に設定し、19年度の157万9千人から1・6%増とした。府の担当者は「目標の達成度などを踏まえ、必要に応じて計画を見直していく」としている。

 7市町は京都府福知山市舞鶴市、宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町、兵庫県豊岡市

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富田祥広
鳥取総局
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国内社会、ルポルタージュ