作戦変更の必要性示した国際司法裁 イスラエルが応じるかは不透明

有料記事イスラエル・パレスチナ問題

ブリュッセル=杉山正
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 国際司法裁判所(ICJ)が26日、イスラエルに対してパレスチナ自治区ガザ地区でジェノサイド(集団殺害)行為を防ぐ「全ての手段」を講じることを含む6項目からなる命令を下した。軍事作戦がジェノサイド条約違反だとして南アフリカが提訴。イスラエルが「自衛する権利」との主張を繰り返すなか、南アが最優先に求めた作戦の即時停止命令は盛り込まれなかった。

 ドノヒュー裁判長はガザでの死傷者や強制移住、インフラの破壊が大規模であることを指摘。「ガザは死と絶望の地となってしまった」などとする国連幹部の発言を引用する形で惨状を列挙した。

 裁判長は「ガザ地区での壊滅的な人道状況が、裁判所が最終判断をするより前に悪化する深刻なリスクがある」と緊急性を強調。イスラエル側がパレスチナ人の状況を改善するために措置を講じているなどとする主張については、「リスクを取り除くには不十分だ」と断じた。

 暫定措置の命令には、ジェノサイド行為を防止するほか、人道支援が供給されるように手段を講じることなどが含まれる。人質をとるイスラム組織ハマスが攻撃を続けるなか、軍事作戦停止には踏み込まなかったが、作戦変更の必要性を示した形だ。

 だが、命令には法的拘束力は…

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