衝突事故ゼロ まもなく見納め、松山駅名物の特急「縦列停車」の秘密

有料記事

福家司
[PR]

 1本のホームに反対方向に向かう2本の列車が縦並びで停車する。JR松山駅の名物といわれた特急列車の「縦列停車」が、今秋に予定される駅の高架化で消えることが決まった。特急2本の縦列停車は全国でも珍しく、名残を惜しむ鉄道ファンが訪れている。

 「1番ホームには行き先の違う二つの特急列車が停車しておりますので、お乗り間違いのないようご注意ください」

 松山駅には、ほぼ1時間ごとに、こんなアナウンスが流れる。

 四国最長の272メートルの1番ホームに先に滑り込むのは、岡山・高松発の電車特急「しおかぜ・いしづち」。続いて反対側から、同じホームに宇和島発のディーゼル特急「宇和海」がゆっくりと入ってくる。

 そのままでは正面衝突しかねないが、「宇和海」は「しおかぜ・いしづち」の9メートル手前でぴたりと停車する。

 数分から数十分後、2本の列車は、それぞれ松山始発の特急として岡山・高松、宇和島に向けて出発する。松山駅で1日11回、繰り返されている光景だ。

 一見危険に見える停車方法が続いてきたのは、なぜなのか。

乗り換えはバリアフリー

 JR四国によると、松山駅は…

この記事は有料記事です。残り909文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トク】締め切り迫る!記事が読み放題!スタンダードコース2カ月間月額100円!詳しくはこちら