「パワハラ指導の禁止を」 看護学校の当事者らが首相に要望書

保坂知晃
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 看護学校で教員らからパワハラを伴う指導を受けたと訴えている当事者や保護者らが23日、看護学校でのパワハラ禁止を求める要望書と約3万3千筆のオンライン署名を岸田文雄首相ら宛てに提出した。

 要望書を提出したのは、看護学校の指導の実態調査や学生からの相談を受け付けている団体「全国看護学生はぐくみネット」(高橋裕樹代表)など。東京の参院議員会館で、文部科学省厚生労働省の担当者に要望書を手渡しした。

 団体が実施したアンケートでは「大量の課題により睡眠不足のまま実習に参加し救急車で運ばれた」「精神疾患となり学校に行くことも働くこともできなくなった」などの看護学生の声が寄せられたという。

 こうした声を受けて要望書では、ハラスメント予防に関する研修の受講を看護学校の関係者に義務づけることや、問題があった場合に設置される第三者委員会の人選について被害者側の意見も考慮することなどの8項目を求めている。

 高橋さんは2022年に岐阜県内の看護専門学校で実習中だった息子を自死で亡くした。第三者委の調査は学校の対応は不適切だったとする一方で、ハラスメントは認めなかった。高橋さんは「行政の歩みは遅いが、少しずつ改善しようとしていると思うので待つしかない」と話した。(保坂知晃)

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    白川優子
    (国境なき医師団看護師)
    2024年1月28日22時51分 投稿
    【視点】

    そう思うと、私が看護学生だった1990年代はパワハラまみれだったことになりますが、何が問題だったかというと、誰もがそれをパワハラだとは認識していなかったことです。看護学生は、特に実習が始まると、予習や課題(ひたすら大量の看護記録)で寝られな

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