今なら心愛さんを救えるか 千葉・小4虐待死から5年、何が変わった
宮坂奈津 杉江隼 斎藤茂洋
千葉県野田市のマンションの一室で小学4年生の栗原心愛(みあ)さん(当時10)が父親の虐待を受け、亡くなった事件から24日で5年になる。心愛さんは虐待を繰り返し訴えていたが、関係機関は結果的に命を救えなかった。子どもからの「SOS」を見逃さないために、市と県、警察はどう変わったのか。
心愛さんは2019年1月24日、自宅で父親の勇一郎受刑者(46)から髪の毛を引っ張られたり、長時間立たされたりするなどの虐待を受けて亡くなった。事件以前から日常的に父親から暴力を受けていた。
野田市は1年以上前に、虐待を把握した。心愛さんが小学校のアンケートで「お父さんにぼう力を受けています」と記したためだ。医師は家族との同居が困難と判断したが、県柏児童相談所は「家庭での養育が可能」と判断し、2週間後に一時保護を解除した。
事件後、各機関の対応を調査した県の第三者検証委員会は「対応に問題があった」「救える命だった」と批判した。援助する方針を決める際、子どもの意見を尊重するなどの改善点を指摘した。
心愛さんの事件は何を残したのか。
■県が必ず開くと決めたのは…