南海トラフ巨大地震を想定、JRきのくに線で避難訓練 白浜町
松永和彦
南海トラフ巨大地震に伴う津波の発生に備え、和歌山県白浜町のJRきのくに線で20日、避難訓練があった。JR西日本と一般社団法人南紀州交流公社などが合同で実施し、町内の小中学生や地元住民ら約100人が参加した。
マグニチュード9・1の地震が発生し、紀伊日置―椿間を走行中の電車が緊急停車したと想定。訓練は事前にシナリオを伝えない「ブラインド訓練」で実施された。
乗客役の参加者たちは、乗務員の指示に従って、開いた扉から直接降りたり、はしごを使って降りたりした。電車から降りる時には、参加者同士が手を貸す姿も見られた。乗務員が「津波が来るぞー、早く逃げろー」と叫ぶと、参加者たちは走って高台にある旧田野井小学校へ避難した。
訓練終了後、JR和歌山支社の御堂直樹さんは「もしもの時に今回の訓練がいかされたら意味があると思う。一人ひとりが高い意識を持って行動に移せるようになって欲しい」と参加者に呼びかけた。
町立日置小学校4年の池上一花さんは「電車が止まって降りる時は高くて少し怖かった。避難先までは遠かったけど、津波にのまれたくないので必死に走りました」と話した。(松永和彦)