「利便性と結節性」改善掲げる 香川県が公共交通計画素案まとめる

多知川節子
[PR]

 人口減少や運転士不足など公共交通を取り巻く環境が厳しさを増すなか、鉄道や路線バスなどを維持するため、香川県が「県地域公共交通計画」の策定を進めている。2024年度から5年間の基本方針や施策を盛り込んだ計画の素案が19日、県、市町、交通事業者などでつくる協議会に示され、了承された。

 県は昨年2月に協議会を発足させ、県内の交通事業者のヒアリングや利用者アンケート、現状の課題分析を進めてきた。

 素案では現状課題について、マイカーに依存したライフスタイルが定着しているが、高齢者や学生らの移動手段の確保が必要▽生活リズムにあったダイヤや、他の交通機関との接続が求められている▽運行の担い手不足や安全設備・車両の老朽化、などと整理した。

 そのうえで、基本方針として「四国の新幹線の実現を見据え、鉄道を中心に、県全体で利便性と結節性に優れた持続可能な公共交通ネットワークを構築する」と掲げた。

 目標は「公共交通の維持とネットワークの最適化」「利便性の確保」「利用の促進」の三つにまとめ、駅を一つの拠点としたまちづくり▽新駅整備▽ダイヤ改善▽キャッシュレス決済の推進、などの施策に官民連携で取り組むとしている。

 最終28年度の目標値は、コロナ禍前の19年度の水準を用い、鉄道利用者3138万人、路線バス(幹線)利用者176万人とした。

 県は2月から素案のパブリックコメントを実施し、年度内に計画をまとめる。(多知川節子)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません