自転車通学すると良く眠れる? お昼寝時間導入の高校で生徒が研究
「自転車通学は良質な睡眠につながるのか?」。熊本県立宇土(うと)高校で、生徒たちが睡眠についてのユニークな研究を進めている。
「日常に手軽な運動を取り入れることで、睡眠の質を改善できないか」。そう考えた中島凜さん(16)たち2年生4人が問題に取り組んでいる。
学校では午後の眠気対策として、昼休み後の昼寝時間「ウトウトタイム」を設けている。昼休み後の10分間、教室を暗くしてヒーリングミュージックを流し、生徒たちが机の上で仮眠する。ノンレム睡眠のうちN2と呼ばれる深さの眠りを数分間取れて、午前中に蓄積された眠気がある程度、解消されるのだという。
午後最初の授業で居眠りをしたり、眠気を覚えたりする生徒が多く、その対策にと睡眠医科学の第一人者、筑波大学の柳沢正史教授の助言を得て、2015年から始めたものだ。
学校と柳沢教授との交流は深い。研修で、教授が機構長を務める筑波大学の国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)を訪ねる生徒もいる。
中島さんたちも1年生の時に訪れ、柳沢教授の話を聞いた。「日本の平均睡眠時間はOECD(経済協力開発機構)諸国の平均から1時間以上短く最下位」「睡眠時間とGDP(国内総生産)は正の相関関係にある」といった内容だったという。
自分たちの脳波で変化を確認
興味を持った中島さんたちは睡眠のことを調べ始め、日中の運動が睡眠の質と関係することを知った。「慌ただしい日常で睡眠時間を増やすのは難しい人もいる。ならば手軽な運動で質を高められないか」
普段の生活に取り入れて継続…