志位氏、事実上の「院政」か 苦境の現行路線、存在感問われる田村氏

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岡本智
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 共産党志位和夫前委員長は在任23年あまりの「長期政権」を築いた。その間、党は浮き沈みを繰り返し、今は退潮の中にある。志位体制の光と影、そして新委員長に就任した田村智子氏のかじ取りの行方は。

 志位氏は、06年に不破氏が退いてから約17年間空席だった議長に就任した。主に理論分野や外交面を担当するとみられるが、形式上は党内最上位。さらに、志位氏が常任幹部会メンバーにとどまったことから「事実上の『院政』となるのでは」(党関係者)との臆測を呼ぶ。

 23年あまりに及んだ志位体制では、天皇制や自衛隊を当面容認する姿勢に転じるなど、国民が受け入れやすい「現実路線」を進めた。民主党政権の崩壊と保守的な政策を進める安倍晋三政権の誕生を契機に躍進。野党に一定の影響力を持つ小沢一郎氏との良好な関係を足がかりに、野党結集を追求するようになった。

 15年に安全保障法制の廃止に向けた「国民連合政府」の樹立を提唱すると、国政選挙で野党候補を一本化する「共闘」に奔走。21年には、立憲民主党が政権奪取した場合の協力まで合意して衆院選に臨むまでになった。

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