にかほの酒粕とイチジクでブラウニー 食品ロス削減で商品化

吉田耕一

 秋田土産に、廃棄される酒粕(さけかす)や、規格外で出荷できないイチジクを使った高級洋菓子はいかが?

 その名も「酒蔵(さかぐら)のブラウニー」。秋田県にかほ市で食品ロス削減などに取り組むグループ「協同組合ニカホノサキ」が土産用に開発し、昨年末に売り出した。

 ニカホノサキは2021年7月、市内のフランス料理店と酒蔵、イチジク加工業者、市の元地域おこし協力隊員の4者で設立。県の特産品である日本酒の製造過程で生じる酒粕の廃棄量を減らそうと、酒粕の加工品開発を続けてきた。

 商品化第1弾がブラウニーだ。チョコレートケーキの一種で、市内唯一の老舗酒蔵「飛良泉(ひらいずみ)本舗」で使う県産酒米「百田(ひゃくでん)」の酒粕と、市内産で規格外の完熟イチジクを使用。酒粕の香りと地元の特産品を組み合わせ、フレンチのシェフが一つ一つ焼き上げることで「この地域にしかない特別なスイーツ」が出来た。

 チョコの苦みと酒粕の風味、イチジクの食感が楽しめ、アルコールが苦手な人でも食べられるという。

 広報担当で、イチジクの加工を手がける佐藤勘六商店の佐藤玲さん(49)は「にかほという土地を伝える土産になったが、食の問題を考えてもらうきっかけにもなれば」と話す。

 ブラウニーは6センチ四方で厚さ2・5センチ、重さ40グラム弱。税込み648円。市内の飛良泉本舗と佐藤勘六商店、秋田市のあきたくらすとアトリオンで販売中。問い合わせはフランス料理店「レメデニカホ」(0184・74・7065)へ。

 今後は市外の酒蔵の酒粕と、その地域の特産品を組み合わせた商品開発も視野に入れるという。(吉田耕一)…

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません