指示なくても部下も不正 黒塗りの報告書から見えた習志野市の問題
千葉県習志野市の下水道課が契約手続きをせず3社に業務を発注し、その経費を別の契約に上乗せした問題で、市が朝日新聞の情報公開請求に調査報告書を公開した。3分の2以上は「黒塗り」で、市が「不適切な事務処理」とした手続きの内容も開示せず、識者から批判の声が上がった。その中で明らかになったのは、上司が不正を指示しながら実務を担当者に任せ、チェック機能も働いていなかった組織の実態だった。
3分の2以上が黒塗り
報告書は6ページ。事案の概要や受注した業者ごとの事案内容といった項目がある。そのうち固有名詞などを伏せた「組織的な関与」「業者との清算」「まとめ」を除き、全体の3分の2以上が全文非公開だった。
問題の発端は「平成30年度の■(黒塗り)について主幹(■)が■することを最優先に考え、支払いは■に上乗せして支払う手法を判断・実行したこと」とし、契約手続きをしなかった業務や上乗せされた契約内容なども伏せられた。
市は取材に対し、当時の主幹や課長らは調査に「予算措置をしていない緊急の事案に対応するためだった」と話したと説明。「業者の特定につながる」として、発注業務の内容などは公表していない。
習志野市下水道課は2018~19年度に契約手続きをせず、6件の業務(計350万円相当)を3社に発注。3社への他の契約で19回虚偽の見積書を作らせ、業務の事業費分を上乗せし、分割払いしました。なぜそのような不正が続いていたのでしょうか。
課内で不正常態化か
公開された部分からは、法令順守の意識が低く、不正が課内で疑いなく続いていた様子がうかがわれた。
主幹ら上司は「一部案件につ…