JR京葉線の2快速維持、ダイヤ公表後に異例修正 千葉市なお反対

重政紀元 伊藤繭莉
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 3月のJR京葉線のダイヤ改定で通勤時間帯の快速がすべて各駅停車になる問題で、JR東日本千葉支社は15日、早朝の上り快速2本に限り運行を維持する見直し方針を明らかにした。ダイヤ改定公表後の修正は極めて異例だが、通勤快速の廃止など改定内容の大枠は変えない考えで、千葉市など沿線の自治体側は反発姿勢を崩していない。

 JR千葉支社の土沢壇支社長が同日、千葉市役所を訪れ、神谷俊一市長にダイヤ改定の修正内容を説明した。JRは昨年末、3月の改定で、蘇我駅(千葉市)と新木場駅をノンストップで結ぶ朝夕2本ずつの通勤快速を廃止し、通常の快速も朝夕夜間帯はすべて各駅停車に置き換える方針を公表。神谷市長が改定の撤回と再考を求めていた。

 この日の千葉市との面談の中でJRは、やめる予定だった通勤時間帯の快速のうち、午前7時半前後に東京駅に到着する内房線君津駅発と、外房線上総一ノ宮駅発の上り快速2本については各駅停車にせず、快速としての運行を維持する変更案を提示した。ただ、通勤快速4本の廃止は変えず、下り快速の維持も拒んだ。

 JRはダイヤ改定公表後の見直しについて、「前例はない」(土沢支社長)とする。ただ、京葉線は武蔵野線への乗り入れや貨物線の運行がある複雑なダイヤのため、改正まで3カ月を切った段階での抜本的な対応はできなかったという。

 だが、千葉市側にダイヤ改定反対の姿勢を解く様子はない。東京―蘇我の所要時間が各駅停車より14~19分早い通勤快速がなくなることによる「速達性の低下」、また「幕張新都心の機能維持」での改善は限定的なためだ。市はJRに改めて、通勤快速の維持と快速の運行本数の復元を申し入れた。

 面談後に記者会見した神谷市長は「市の申し入れを受けた対応はありがたいが、反映は限定的で納得していない」と述べた。JRの土沢支社長は「影響の結果について考えが及ばない点があった。すべて(要望に)対応したとは思っておらず、利用状況に応じて沿線価値向上に柔軟に対応していきたい」とした。

 この問題で熊谷俊人知事は報道陣に「本質的な解決には至っていないと思うので、更なる見直しが速やかに実現されるよう強く求めていきたい」と述べた。(重政紀元、伊藤繭莉)

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