一気飲みの後に死亡、両親と学生が和解 高裁「コールはアルハラ」

森下裕介
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 近畿大(大阪府東大阪市)の登森勇斗(ともりはやと)さん(当時20)が2017年12月、サークルの飲み会で飲酒後に急性アルコール中毒で死亡したことをめぐり、両親が「一気飲みをさせた」として、同席した学生ら(当時)に損害賠償を求めた訴訟は15日、大阪高裁で和解が成立した。両親側の代理人弁護士によると、学生ら16人が登森さんの死亡について陳謝し、計5090万円を支払う内容。

 昨年3月の一審・大阪地裁判決は、一気飲みを促した学生や、飲み会後に登森さんを別の学生宅に運び込んだ学生ら16人について救護義務違反を認定。計約4200万円の賠償を命じたが、違法な飲酒の強要はなかったとした。

 高裁は和解に先立ち、強要がなくても、その場を盛り上げる「コール」や「場の空気」で登森さんに心理的な強要が働いたと指摘。当時の飲み会は「アルコールハラスメントに該当する」との所見を示したという。

 和解を受け、両親は「アルコールハラスメントで命を落とした学生は数多くいる。昏睡(こんすい)状態で放置せず、救急車を呼べば救われることを再認識してほしい」とコメントした。(森下裕介)

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