台湾総統選、民意が重んじたのは対中関係ではない 台北支局長解説

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台北支局長・石田耕一郎

 民進党の頼清徳(ライチントー)副総統(64)が勝利した台湾総統選で浮かび上がったのは、台湾の存立に自信を深めた民意だった。

 台湾社会は、自らを「中国人」と考える人が2・5%まで減り、大多数が自身を「台湾人」と見なしている。多くの人々が台湾をすでに事実上の独立国だととらえ、台湾を権威主義的な共産党が支配する中国とは異なる存在だと考えている。将来を含めた統一を望む人は1割にも満たない。

 蔡政権の8年近くで、台湾は…

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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2024年1月14日2時1分 投稿
    【視点】

    これは素晴らしい記事。日本の報道では、台湾の選挙の争点は中国との関係、という論調が多かったが、実際に問題になったのは経済。統一や独立といった問題を論じなかった民衆党が躍進したのがその証拠。もちろん中国との関係は重要だが、それは経済的なメリッ

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    座安あきの
    (ジャーナリスト・コンサルタント)
    2024年1月15日21時2分 投稿
    【視点】

    選挙戦の沸点を迎えた総統選投票日前日の午後、那覇を出発し台北を訪問しました。飛行時間にしてわずか1時間20分の近さです。先発隊として10日から現地入りした同僚や現地スタッフと合流。ビジネス会議のあった台湾の大手百貨店やコンビニ、不動産開発会

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