台湾総統選、民意が重んじたのは対中関係ではない 台北支局長解説
台北支局長・石田耕一郎
民進党の頼清徳(ライチントー)副総統(64)が勝利した台湾総統選で浮かび上がったのは、台湾の存立に自信を深めた民意だった。
台湾社会は、自らを「中国人」と考える人が2・5%まで減り、大多数が自身を「台湾人」と見なしている。多くの人々が台湾をすでに事実上の独立国だととらえ、台湾を権威主義的な共産党が支配する中国とは異なる存在だと考えている。将来を含めた統一を望む人は1割にも満たない。
蔡政権の8年近くで、台湾は…