中学生の集団避難「仕方ないが急すぎる」 100キロ南へ…家族苦渋
佐藤道隆 中村瞬 椎木慎太郎
輪島市内の代替場所も被災「想定超える被害」
能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県輪島市で11日、中学生を市外に一時避難させる案が浮上した。想定を超える被害に、中学生がいる家庭では、苦渋の選択を迫られることになった。
「中学校の再開は非常に厳しい。子どもの学ぶ機会を確保するため判断した」
市教育委員会の小川正教育長は11日午前、市内3校の中学生401人の「集団的避難」を検討していることを報道陣に明らかにした。強制ではなく、保護者の同意を前提とする。
市中心部にある輪島中には600人以上が避難している。運動場の約半分が割れて陥没し、水道が使えない。通学路の安全確保も難しい。残りの東陽中、門前中も校舎が再び使えるようになる時期が見通せないという。
市の地域防災計画では、市内の大部分が大きな被害を受けた場合、教育の代替場所として、避難先の最寄りの学校や公共施設を利用すると定めている。しかし今回、その施設も避難所となるなど、「被害は想定をはるかに超えている」(小川教育長)という。8日夕に集団的避難を県教委に打診した。
受け入れ先の候補は、輪島市…