自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる事件を受け、首相肝いりで発足した政治刷新本部。その結論は政権の浮沈をも左右するが、メンバーには裏金疑惑のある安倍派の議員を含むなど党内バランスへの配慮が色濃く、政治資金と派閥に関する改革の方向性もあいまい。与野党からは急場をしのぐための「茶番」との批判が上がる。
11日に自民党本部で開かれた政治刷新本部の初会合。首相は険しい表情であいさつした。「政策集団(派閥)、そして自民党の政治資金をめぐり、国民の厳しい目、疑念の目がそそがれている」とし、「国民の信頼を回復するため、日本の民主主義を守るために、自民党自らが変わらなければならない」と強調した。
刷新本部は、中間取りまとめに向けた「スピード感」、外部の有識者から意見を聞く「客観性」、党所属の全議員が議論する「透明性」を重視することを確認した。
しかし、のっけから「刷新」への期待感は薄い。派閥のバランスや党運営の安定を優先する姿勢が見えるからだ。
疑惑の安倍派議員から最多10人
刷新本部の幹部に麻生太郎副…
- 【視点】
岸田首相が立ち上げた政治刷新本部の「刷新」という言葉には「あまり問題には切り込みたくない」という首相の意識がにじむようです。最近、政界でよく使われる表現に「刷新感」というものがあります。国民から何か疑念を持たれる問題が生じた場合でも本質を変
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