能登半島地震の死者213人に 輪島市、中学生の一時避難を検討

能登半島地震

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 最大震度7を観測した能登半島地震で、石川県は11日、死者が前日から7人増えて213人になったと発表した。能登半島北部の「奥能登」ではライフライン復旧の見通しが立っておらず、輪島市は、中学生約400人を約100キロ離れた県南の体験学習施設に一時避難させることを検討していると明らかにした。

 対象は市内3校に通う全ての生徒。12日までに保護者の同意を得られれば、教職員とともに「白山青年の家」か「白山ろく少年自然の家」に避難してもらう。いずれも宿泊ができる県の施設で、市教育委員会によると、これらの施設や周辺の中学などで授業を行うことを検討するという。

 輪島市内は断水が続き、通学路の復旧は進んでいない。輪島中は600人以上が身を寄せる避難所となり、運動場には地割れがある。市教委は「安全に通えるめどが立たないなか、子どもの学ぶ機会を確保したいと考えた」としている。

 この日、同じく被害の大きかった珠洲市では公立の小学校2校、中学校1校で始業式があった。

 また、閉鎖が続いていた能登空港は仮復旧が完了し、自衛隊の輸送機の離着陸が可能になった。

 県によると、11日午後2時時点の死者は、珠洲市が98人、輪島市83人、穴水町20人、七尾市5人、能登町4人、志賀町2人、羽咋(はくい)市1人。

 津波による行方不明者とされていた珠洲市の1人を含む、計7人の死亡が新たに確認された。地震が原因と断定できなくとも連絡がとれない「安否不明者」は37人になった。

 2万3650人がなお13市町の400カ所に避難中で、輪島市には14地区、珠洲市に6地区、能登町に2地区の孤立集落がある。馳浩知事は11日の対策会議で「道路の復旧のめどが立たず、孤立状態の長期化が判明した以上、災害関連死を防ぐためには、集落のみなさんを丸ごと、金沢市以南の避難所に移送することも考えなければならない時期に来ている」と語った。

 七尾市や輪島市、珠洲市のほぼ全域など、11市町の約5万8千戸では断水が続く。輪島市や珠洲市など5市町の約1万4千戸では停電が続いている。

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1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る]