トランプに異を唱えれば「のけ者」に 地方の共和党に刻まれた深い溝
連載 混迷を歩く アメリカ大統領選2024:アイオワ編③
「共和党で『のけ者』にされた人たちがいる。私も含め、トランプを支持しないグループだ。今夜、飲みに行くから会いに行こう」
案内役を買って出てくれているアイオワ州の元下院議員、ウォルター・コンロン(76)がそう声をかけてくれた。
【1回目から読む】連載 混迷を歩く アメリカ大統領選2024 アイオワ編
11月の大統領選に向けた共和党の候補者選びが、アイオワ州で始まりました。トランプ前大統領が根強い人気を誇るのはなぜなのか。記者がある田舎町に滞在し、有権者たちと対話を重ねた記録です。
ちょうど、州東部マスカティーン郡の共和党本部で取材を終えた日だ。地元の党幹部はトランプ支持者で固められており、トランプの影響力がどれだけ地方に浸透しているか、目の当たりにしたばかりだった。
「今夜会うのは、1年前まで党本部のトップを務めていたフレッドという男だ。トランプを支持しない彼がなぜ要職から去ったのか、聞いてみるといい」。ともに長く地方政治に関わり、コンロンとも気心の知れた間柄だという。
「もう疲れた」 元委員長が身を引いたわけ
隣町ウィルトンに、れんが造りの建物を改装した小粋なバーがあった。出迎えてくれたのがフレッド・グランダー(69)だ。「ここは私がオーナーをしている店なんだ」。政治に携わってきた数人の仲間たちも集まってくれていた。
グランダーは、10年間にわたって務めたマスカティーン郡の党委員長を、1年前に辞めていた。「問題はトランプ本人というより、トランプ支持者たちだった。もう疲れてしまったんだ」
グランダーが最初にトランプ…
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