連載 混迷を歩く アメリカ大統領選2024：アイオワ編②

　トランプに心酔する人々がそこに集まっていることは、一目瞭然だった。

　米アイオワ州マスカティーンにある地元の共和党本部には、トランプの等身大パネルが置かれていた。巨大な壁には「TRUMP2024　HE　WILL　BE　BACK（彼は戻ってくる）」と書かれた巨大な旗が掲げられている。

　出迎えてくれた10人あまりの人々は、50～60代が中心で、女性は2人だけ。多くは白人の男性だ。「MAKE　AMERICA　GREAT　AGAIN（米国を再び偉大に）」と書かれた赤い帽子をかぶる男性の姿もある。トランプ支持者の定番の装いだ。

　毎週木曜日に常連が集まり、政治談議をしているのだという。早速、話の輪に交ぜてもらう。「みなさん全員がトランプ支持者なのか」と尋ねると、「もちろんだ」と笑いが起きた。

　彼らは「新参者（ニューカマー）」だ――。地元の古くからの共和党員から、そんなヒントをもらっていたことを思い出し、いつから政治に関わるようになったのかを聞いた。

　「私は人生のほとんどを（電気や水道など）公共サービスの業界で働いてきた。3年前に退職してから、政治の集まりに顔を出すようになった」。そう、赤い帽子のジョン・ゲート（64）が切り出した。

「トランプの助けになりたい」と立ち上がった

　「高卒で役者になろうとカリ…