フランス最年少首相アタル氏、教育政策で頭角 今後の議会対応に試練

有料記事

パリ=宋光祐
[PR]

 フランスのガブリエル・アタル前教育相(34)が9日午後、首相府での引き継ぎ式を終えて新たな首相に就任した。就任演説では「フランスの可能性を解き放つ」と述べ、起業家らの支援などによる経済改革を掲げた。ただ、与党は国民議会(下院)で過半数を割り込んでおり、アタル氏が政権の支持回復につながる政策を実現できるか不透明な情勢だ。

 アタル氏は1958年に始まった現在の政治体制「第5共和制」で史上最年少の首相となる。マクロン大統領が自らを任命したことについて、アタル氏は演説で「大胆さと行動、若さに対する信頼の象徴だ」と述べた。その上で、「フランスの生きた力を結集する。すべての国民が私に頼ってほしい」と訴えた。

 アタル氏は昨年7月、ボルヌ前首相の内閣で教育相に就任後間もなく、教育分野で強硬な施策を次々と打ちだして頭角を現した。最初にイスラム諸国の一部の女性が着用する伝統衣装「アバヤ」の公立学校での着用を禁止。学校でのいじめ防止を「最優先」として、加害者への厳罰を含むいじめ対策をまとめた。

 その結果、就任から約5カ月後の昨年末の世論調査では、支持率が40%に達し、右翼政党「国民連合(RN)」のルペン前党首やマクロン氏らを抑えて、フランスで最も人気のある政治家の座をつかんだ。

 一方、昨年3月に成立した年…

この記事は有料記事です。残り443文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら