自然の保全、30年までに5000ha増 滋賀県が新たな戦略案
滋賀県は生物多様性を守り、その持続可能な活用を目指すため、新たな「しが戦略」案を作成した。自然が保全・保護された地域を、「2030年までに現状より5千ヘクタール増やす」という数値目標を明記。さらに、自然と人との共生の実現が、滋賀や日本、世界への貢献につながる「自然・人・社会の三方よし」を目指すとしている。
2022年に開かれた生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)では、「30年までに陸と海のそれぞれ30%以上を保全する」という国際目標(30by30)が採択された。
政府は23年、生物多様性の損失を止め、回復に反転させる「ネイチャーポジティブ(自然再興)」を30年までに実現することを目指す「国家戦略」を策定。県はこうした国内外の動きを受け、15年につくった「しが戦略」を見直した。
県内の保護・保全地域は現状で約16万8千ヘクタール。県面積の41・6%にあたる。「しが戦略」案では、30年までに5千ヘクタール増やして42・9%とすることを目標にした。
琵琶湖(約6万7千ヘクタール)は県面積の16・7%を占めており、長期的には「琵琶湖プラス30%」を目指すとしている。そのためには、現状より2万ヘクタール近く増やすことが必要となる。
保全地域を増やす取り組みも盛り込んだ。企業や住民団体が生物多様性の保全を図るエリアを環境省が認定する「自然共生サイト」を増やすため、専門家を派遣するなどの支援をするという。県内には現在7カ所だが、30年には25カ所にすることを目標に掲げる。
戦略は琵琶湖版のSDGs「マザーレイクゴールズ(MLGs)」とともに、県民、地域、企業など多様な主体が自主的、自発的に取り組むことが望ましい、としている。県の担当者は「身近なところから広げていきたい」と話す。
「生物多様性しが戦略2024」は3月に策定し、30年までが取り組み期間となる。「しが戦略」案について、1月22日まで県民らの意見を募集している。県のウェブサイトや各合同庁舎行政情報コーナーなどで公表資料を見ることができる。
意見は郵送(〒520・8577 大津市京町4の1の1 滋賀県自然環境保全課生物多様性戦略推進室)、ファクス(077・528・4846)、メール(dg0002@pref.shiga.lg.jp)で。メールの場合は件名に「生物多様性しが戦略2024(案)意見」と記載する。問い合わせは同室(077・528・3483)。
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