輪島で倒壊の7階建てビルを専門家が調査 揺れで杭が破断した可能性

有料記事能登半島地震

佐々木凌

 能登半島地震で倒壊した石川県輪島市の7階建てビルについて、東京電機大の研究者が、現地を調査した。ビルから固い地盤に打ち込んだ杭が、激しい揺れによって接合部で断ち切れたり抜けたりした可能性があるという。

 調査をしたのは、安田進名誉教授(地盤工学)と石川敬祐准教授(地盤工学)。7日に記者も同行した。

 倒壊したビルは、輪島市の中心部の観光名所「輪島朝市」から約300メートル離れた場所にある。柱など建物の構造自体は崩れた様子はなく、まるで立っているときのまま根元から折れたように倒れていた。

 建物の底の部分には、直径20~30センチとみられる丸い穴が四つあるコンクリートのブロック。安田さんは「これは、地下の固い地盤に打ち付けた杭と建物の底を接合する穴です」と説明した。

 ビルは地盤の上に直接建てる「直接基礎」と、建物から固い地盤に杭を打ち込んで建物を支える「杭基礎」がある。

 安田さんによると、このビルは杭基礎だという。だが、底からつながっているはずの杭の本体は見つからなかった。

 安田さんは、揺れによって地面と建物との接合部で杭の頭が破断されたり、抜けたりしていて、杭の本体は地面の中に残っているとみる。

 防災科学技術研究所が運営し…

この記事は有料記事です。残り263文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
佐々木凌
科学みらい部|宇宙担当

宇宙、原発・エネルギー、災害・防災

能登半島地震

能登半島地震

1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る]