「死にたくない」涙をこぼす長女 孤立集落から脱出した家族の証言
箱谷真司
能登半島地震で被災者の孤立状態が続く石川県輪島市町野町(まちのまち)。県がいまだ、被災者数などの情報を集約できていない地域の一つだ。そこで被災から4日朝まで過ごし、車で脱出した会社員、川崎哲嗣(さとし)さん(41)が朝日新聞の取材に応じた。
京都府亀岡市在住の川崎さんは昨年12月29日、実家の金沢市へ帰省した。元日は妻と高校1年の長男(15)、小学校4年の長女(10)、1年の次男(7)と一緒に輪島市方面へ車で観光に出かけた。
日本海に間口を開く洞窟として知られる「福が穴」などを巡った後の帰り道。
石川県の北西部の海岸沿いを車で走っていると、能登半島地震に見舞われた。津波から逃れるために海岸沿いから離れ、内陸部に向かった。
道中に本震が襲い、近くの地面は裂け目がどんどん広がった。家屋はつぶれ、粉じんが上がっていた。
「死にたくない」。長女は涙をこぼした。
極限状態の子どもたち わずかなガソリンで8時間
たどり着いたのが、海岸から…
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