多言語VTRで「津波逃げて!」 神戸のローカル局だからできたこと

有料記事能登半島地震

杉山あかり
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 石川県内で最大震度7を観測した能登半島地震で、神戸市のテレビ局「サンテレビ」が、多言語で津波の避難を呼びかけるVTRを流した。SNSには「さすが震災を経験したローカル局」などと好意的な反応が相次いだ。取り組みの裏には、二つの災害を経験したひとりのニュースキャスターの存在があった。

 1日午後4時22分、日本海側の兵庫県北部に津波警報が発表された。

 サンテレビは1日午後4時半から2日午前0時ごろまで、スタジオからの生放送を挟みながらVTRを繰り返し放映した。

 映像は約6分。まず、アナウンサーが日本語で「兵庫県内に津波警報が出ました。命を守るため今すぐ逃げてください。できる限り高いところに逃げてください」と手話通訳とともに呼びかける。

 その後、同じ内容を英語、韓国語、中国語、ベトナム語、ネパール語、タガログ語、ポルトガル語の7言語で英語教師や大学准教授がフリップを手に話す。

 サンテレビの広報担当者によると、県内で強い地震が起きた時に備えて①津波警報②大津波警報③津波の心配はないが火災への注意などを呼びかける場合、の計3パターンがある。

 外国語は、神戸市内の人口統計をもとに上位七つを選んだという。

完成は前月 「すぐ放映になるとは…」

 放送後、SNSでは「こういうのを見習わないと。すごい」といった韓国語の投稿などが見られた。

 サンテレビにも5日午前まで…

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    望月優大
    (ライター)
    2024年1月12日21時20分 投稿
    【視点】

    話題になったこのVTRですが、完成したのは地震の直前だったのですね。しかも、その背景には、阪神淡路と東日本の経験があったと。知ることができて良かったです。 震災後のデマの拡散といった負の歴史、FMわぃわぃのような参照すべき取り組み、ど

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