写真家・篠山紀信さん死去、83歳 「週刊朝日」や「激写」シリーズ

 三島由紀夫さんやジョン・レノンオノ・ヨーコ夫妻、山口百恵さんら、60年以上にわたって時代を象徴する人物やものごとを撮影し、「激写」シリーズなどで知られる写真家・篠山紀信(しのやま・きしん、本名・紀信=みちのぶ)さんが4日、亡くなった。83歳だった。妻は元歌手の南沙織さん、次男はタレントの篠山輝信(あきのぶ)さん。

 東京都新宿区真言宗の寺に生まれ、日本大学芸術学部写真学科に在学中の1961年に、広告制作会社ライトパブリシティに入社。広告写真を撮るかたわら、造形的なヌード写真をカメラ雑誌などに発表して注目された。68年に独立。

 青年誌「週刊プレイボーイ」にヌード写真を発表するほか、70年代初期からは月刊「明星」の表紙で、時代のスターを次々に活写。さらに、青年誌「GORO」での市井の人から芸能人までを撮った「激写」シリーズや、「週刊朝日」の表紙連載「女子大生」シリーズなどを、各種週刊誌や女性誌、美術誌に発表した。

 70年には、作家・三島由紀夫さんに依頼され、自決直前の姿を撮影。三島さんを介して出会った歌舞伎俳優・坂東玉三郎さんを写した72年の写真集「女形・玉三郎」で芸術選奨文部大臣新人賞。76年には国際美術展「ベネチア・ビエンナーレ」に参加し、建築家・磯崎新さんの構成で「家」シリーズを展示した。

 海外でも精力的に撮影した。磯崎さんとコンビを組み、古代エジプトから米ニューヨークの名建築を写した「建築行脚」シリーズ(80年)、シルクロードを走破した「篠山紀信 シルクロード」シリーズ(81年)などを刊行。80年代、複数のカメラを連結して同時撮影し、パノラマ的な風景を見せる手法「シノラマ」を編み出すと、都市から山の噴火まであらゆるテーマに取り組んだ。

 写真集を中心とする著書は300冊を超える。91年には、俳優の樋口可南子さんをモノクロで撮影した「water fruit」、トップアイドルだった宮沢りえさんを被写体にした「Santa Fe」とヌード写真集を立て続けに刊行。後者は写真集としては異例の165万部に達し、社会現象になった。

 2012~19年に全国巡回した個展「写真力」は計100万人以上が来場。21年には東京都写真美術館でも大規模個展「新・晴れた日 篠山紀信」を開いた。

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    田中知之
    (音楽プロデューサー・選曲家)
    2024年1月5日10時14分 投稿
    【視点】

    正月から大変ショックだ。先生には被写体として2回撮影していただいたことがある。1回は氏が雑誌BRUTUSで長らく撮影/連載されていた「人間関係」というページで、ラーメンズの小林賢太郎さん、片桐仁さんとの3人のポートレートを。もう1回は自分の

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    松谷創一郎
    (ジャーナリスト)
    2024年1月5日11時34分 投稿
    【視点】

    商業写真家として多くの仕事をしてきた篠山紀信さんは、個別の写真だけでなくスキャンダリズムも含む仕事全体が、その作家性を表していました。70年代の「激写」シリーズや『週刊朝日』の表紙、中森明夫さんのコラム付きの『週刊SPA!』の「ニュースな女

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