バングラデシュ総選挙7日投票 野党ボイコットで公正さに懸念の声

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ヤンゴン=笠原真
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 バングラデシュ総選挙(一院制、定数350)が7日にある。2009年から政権の座にあるシェイク・ハシナ首相の強権的政治手法に反発して最大野党が選挙ボイコットを決めたため、与党アワミ連盟(AL)の勝利が確実な情勢だ。選挙の公正さへの懸念も出るなか、日本や欧米に加えて中国も関係強化に動くなど、国際的な重要性が増すバングラデシュの総選挙に注目が集まる。

 「投票所に行かないことが、あなたたちの民主的な権利だ」。最大野党バングラデシュ民族主義党(BNP)のリズビ幹部が12月20日、オンライン会見で有権者に呼びかけた。同党はボイコットを決め、候補者を立てていない。

 ALが圧勝した18年の前回総選挙でも、野党やメディアへの弾圧が問題視された。BNPは結果に不正があったと主張。今回の選挙を中立的な選挙管理内閣の下で実施すべきだと求めたが、政権側は拒んできた。10月28日には首都ダッカでBNP支持者10万人以上が反政府デモを展開し、一部が暴徒化。ロイター通信によると、警察官1人が死亡し、100人以上が負傷した。

ノーベル平和賞受賞者にも圧力か

 12月19日に子供を含む4人が死亡する列車火災が起きた際には、野党支持者による放火の疑いが指摘され、ハシナ氏が集会で「投票をボイコットしてもいいが、なぜ人を焼き殺すのか」と批判するなど非難の応酬が激化している。

 バングラデシュでは1991年以降、ALとBNPの二大政党が政権を担ってきた。09年に2度目の首相に就いたハシナ氏は、経済成長を背景に強力な権力基盤を築く一方、野党指導者や人権活動家らを拘束するなど強権的な手法が批判されてきた。

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