天竜浜名湖鉄道、20年ぶり車両更新へ 25年度から
【静岡】県や沿線市町などが出資する第三セクターの天竜浜名湖鉄道(天浜線、本社・浜松市天竜区)が、2025年度から約20年ぶりに車両更新に乗り出す。車両の老朽化で故障も起きており、安定運行のために段階的な新しい車両の導入が必要だと判断した。
経営を支援する県と浜松、掛川、袋井、磐田、湖西市と森町の6市町が31日の会議で、車両更新を含む24~28年度の経営計画を承認した。現在の車両は01~05年にかけて納入された15両で、1両は故障で使えず、交換部品もないという。新車両の発注から納車まで1~2年かかるため、24年度から発注し始め25年度以降に毎年1両ずつ納入される。
沿線人口の減少で利用者が減り、天浜線の経営は厳しい状況が続く。車両の老朽化は課題だったが、更新には1両約3億円(3分の1は国が補助)かかるため、先送りしていた。現在の車両はすでに生産をやめており、廃車する車両の部品を交換用に使うことで、現役車両の長寿命化もはかる。
経営計画では、28年度の利用者数を22年度比で8%増の144万人、旅客収入を12%増の3億8469万円と想定。いずれもコロナ禍前までは回復しないと見込んでいる。
計画上の収支差額は県と沿線6市町が毎年支援する。車両更新費が上乗せになる24~28年度の支援額は年5億円強となり、19~23年の約3億円を上回る。負担の割合は県が50%、残りは6市町が駅数や利用者数などに応じて分ける。決定を受け、各自治体は新年度予算に支援額を盛り込む。
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