感染かな? 無料・匿名で受けられる保健所の検査、即日で結果も

内科医・酒井健司の医心電信

酒井健司
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 近年増加傾向にある梅毒は、医療機関のほか、保健所で検査を受けることが可能です。他にも、肝炎(B型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルス)やHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の検査を無料で受けることができます。できるだけ多くの人に検査を受けてもらうことで個人個人の健康が守られると同時に、感染を広がりを防ぐことができます。

 肝細胞がんの多くが肝炎ウイルスの持続感染による慢性肝炎が原因です。慢性肝炎は初期には症状に乏しく、病気が進行して肝硬変肝細胞がんに至ってはじめて症状が現れることもあります。現在では治療法が進歩し、症状がないうちに検査を受けて診断がつけば、ウイルスを排除して完治させたり、ウイルスの増殖を抑えて進行を抑制したりする有効な治療法があります。

 HIVはエイズ後天性免疫不全症候群)の原因ウイルスです。やはり診断がついて早期に抗ウイルス薬による治療を開始すれば、エイズを発症することはなく、非感染者と比べて寿命もほぼ変わりません。また、効果的な治療によって血中のウイルス量を十分に抑えられ、他の人に感染させるリスクも減ります。

 原則として有料かつ住所氏名を伝えなければならない医療機関と比べて、多くの保健所では、無料であるだけでなく、匿名で検査を受けることができます。受付の曜日・時間が決まっていたり、予約が必要な場合もあったりしますので、事前に確認してください。相談窓口サイトの「HIV検査・相談マップ」で調べてもよいです。人口が少ない地域では、検査を受けたいけれども医療機関に顔見知りがいてプライバシーが守られるかどうか心配な方もいらっしゃるでしょう。都市部の保健所で無料・匿名・即日の検査を受ければ心配はいりません。

 後日検査結果を聞きにいかずに済む即日(迅速)検査も行われています。約1時間ぐらいで結果が出ます。ただし、偽陽性(感染していなくても陽性の結果が出ること)の可能性もありますので、陽性だった場合は、最終的な判断は確認検査の結果を待つ必要があります。平日の夜間や週末にも検査を行っているところがあり、柔軟な利用が可能です。

 感染リスクのある方や不安を感じる方は、ぜひ検査を検討し、無料・匿名検査を活用してください。検査結果の説明のときに医師に相談することもできます。もし最終的に陽性なら、専門医療機関への紹介状を書いてもらえますので、必ず受診してください。(酒井健司)

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